J2第37節アルビレックス新潟vs 水戸ホーリーホックの話題はこちら
- こうずてぃーびー

- 2022年9月19日
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水戸戦プレビュー
J2も残り6試合。12位水戸は勝ち点46。プレーオフ圏内の6位大分が勝ち点56なのでその差は10。プレーオフ進出はかなり厳しい。直近の2連敗が痛かった。
一方の新潟は前節甲府に苦しめられたが連勝となった。勝ち点71で首位キープ。横浜と岡山が負けたので勝ち点差も開いた。
新潟と水戸の対戦成績は新潟の12勝7分6敗と新潟に分がある。今年の前半戦は3-0で勝利している。
3連戦を3連勝で終えられれば新潟的には自動昇格にさらに近づく。10月の対戦相手が骨のあるところを残しているので新潟的には9月に多く勝ち点を積んでおきたいという面もある。
水戸は順位以上に良いサッカーをしている。決して甘く見てはならない。
水戸のポイント
直近のハイライトを5戦分見返したが非常に良いサッカーをしている。2人目、3人目が連動して相手を攻め込むスタイルはアグレッシブで魅力的である。
しかしながら最後のフィニッシュの精度に問題を抱えている。崩せてもシュートの精度が悪かったり、相手GKにセーブされてチャンスの数に対して得点数が追いついていない印象を受けた。
FW木下は11得点で得点ランク5位も、本来ならもっと取れているはずだろう。
左SHの椿は2020年北九州躍進メンバーの一人。スピードとクロスやシュートへの意識などは攻撃のアクセルとなっている。
DF大崎の技術力、判断力も確か。タビナスのフィジカルも警戒すべきだろう。GK山口も好セーブを連発している。
FW安藤や梅田も走力や前線から圧をかけられる選手である。最後の精度がハマった時には爆発力は計り知れないだろう。
新潟のポイント
トーマスデンが代表招集で離脱。鈴木もまだ復帰できない中でターンオーバーの成果が徐々に出始めている。
前節は甲府相手に苦しい展開だったが勝ち切れたのは大きい。
水戸は選手が連動してアグレッシブに攻めてくるチームである。球際の勝負で負けてはならない、つまりセカンドボールを取り続けて本来の新潟のスタイルであるポゼッションの時間を極力増やすことで水戸を全体的に守備に回らせる機会を増やせれば試合運びはしやすくなるだろう。
一方で球際で負けたりプレスにハメられて危険な位置でボールを奪われてゴールに向かわれたら早めに潰しに行けないと厳しい。高や藤原のタスクは増えるだろう。
トーマスデンが不在なので、琉球戦のようなサダムスレイに舞行龍が振り切られて大ピンチみたいな場面をそもそも作らないようにもしなければならない。
当然先制点はこの試合でも重要になってくる。お互いにハーフスペースへ侵入して崩すこと、セットプレーからの得点などもポイントになるだろう。それぞれの精度を上げて臨む必要は出てくる。
水戸戦レビュー
結果は2-0で勝利。水戸は序盤にハイプレスに来て新潟の出鼻をくじこうとするものの、引いてブロックを敷いてきたタイミングで新潟が攻勢に出る。高木が負傷交代するまでは新潟のチャンスシーンが多かったものの、GK山口の好セーブに何度も阻まられてしまう。
高木が交代した後は水戸の時間帯になるがなんとかしのぐ。あわやPKか?というシーンが両チームともあったり、ポストやクロスバー直撃と言うシーンも多くあったが先制したのは新潟。
谷口が落として星が豪快に決めた。
その後もやや新潟優位に進めながら追加点を谷口がゲット。そのまま2-0で終了した。
◆星が今季初得点
新潟のボランチ事情はシーズン当初よりかなりブラッシュアップされつつある。吉田陣平も含めて全選手に出場機会は与えられているが、高&島田の黄金コンビ頼みから脱却しつつある。
島田&秋山、高&星、高&秋山などいろんな組み合わせが可能となっている。
秋山も星も守備面で懸念があったが、終盤に向けて今季を通して改善しつつある。
島田も決して守備が得意と言うわけではなく、ファールになるシーンが多いが相対的に島田優位だったボランチの序列はここにきて熾烈である。
絶対的存在である高宇洋ですらコンディション次第では島田&秋山コンビを起用されることがあり、良くとらえればターンオーバーできるようになったとも言えるが終盤の局面で連続出場が続いている小島や藤原と比べたら1段競争が激化しているし、底上げができてきたともいえる。
久しぶりのスタメンだった星だが今季初得点となった。
去年も高木のような動きで活躍した試合もあったが、守備面も含めて波があった印象である。しかしこの試合では攻守ともに積極的であり、ベクトルが前に向いている気概を感じる出来だった。
おそらく星の出来はメンタルに左右されるのでは?という仮説が出来上がった。久しぶりの先発というシーンでの星は比較的活躍するイメージがあるが連続出場の際は何段か落ちる印象もまたある。
常に自らをどのような場面でも奮い立たせられるとコンスタントに良いパフォーマンスができるのではないか?
攻守においての戦術理解度の問題かと思っていたが、水戸戦の出来だと戦術理解に問題があるとは思えない。前を向くか、横パスバックパスに終始するかと言う気勢の問題のような気がしている。
◆機関車コンビ活躍
トーマスとジェームズという機関車トーマスにも出てくる2人のCBコンビは安定度抜群である。
相手のエース、FW木下を2人で止めたシーンは非常に良いプレーだった。ブロック&プレス&カバー&ビルドアップとタスクの多い新潟CBだが非常に高いクオリティでこなしていた。
小島も引き続き安定度の高いビルドアップ参加とナイスセーブで鉄壁の守備に貢献したのも大きい。
しかしトーマスデンがオーストラリア代表招集により、不在となる。山形戦か仙台戦には復帰すると思われるが代表戦で怪我などもありえなくはない。
残りいよいよ5試合である。千葉、田上、早川を含め更なるレベルアップに期待したい。
◆谷口3か月ぶりの得点
生配信のチャットや動画のコメントなどでは谷口の得点を望む声が多かっただけに点を決められたのは非常に大きい。FWというのは点を取って調子を上げるものである。
一方で、それまで空回りしていた感もあった。エゴイストな面が悪い方向に出る場面も少なくなかったがようやく点を取れたので、より判断の精度があがることは期待したい。
鈴木がベンチにも入れていない現状を考えると、谷口とゲデスのFWスタメン争いとなるだろう。ゲデスも実際、調子を上げている感があり、周りとの連携面も加入当初とは大きく改善されているように思える。
タイプの違う2人なので松橋監督としたら相手に応じてチョイスできるのは強みだろう。谷口は積極的にプレスに前線から走れることと、本来の持ち味である裏抜け、そしてカットインしての豪快なシュート、このあたりの強みをより発揮できると良いだろう。伊藤なら素晴らしいラストパスが出せるのも大きい。
◆高木が負傷交代
これは心配である。靭帯系だと今季絶望もありえるが状態が気になるところである。
残り5試合となるが、この局面でのけが人や藤原と伊藤がイエロー3枚で累積にリーチなど懸念は探せばいくつかあるが、序盤のターンオーバーを含めてある程度誰が出ても極端にクオリティが落ちることが無いのが効いている。これは松橋監督GJである。
もし高木、伊藤、藤原が出れなくなっても右SBは長谷川、田上、早川など、トップ下は秋山やゲデスなどがこなせるのではないか。
あとは、別で動画にもしたが、前例として主力級が2人レッドカードをもらう試合だってあり得る。そのようなピンチにもある程度対応できそうなチームであることはポジティブに捉えたいが、極力そういうピンチを自ら招かない立ち回りが何より重要である。


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