J2第34節アルビレックス新潟vs 大分トリニータの話題はこちら
- こうずてぃーびー
- 2022年9月3日
- 読了時間: 7分
大分戦プレビュー
新潟は自動昇格圏の2位につけており、現時点では3位の仙台と勝ち点差10あるのでかなり昇格に向けて有利な状況になっている。直近5戦で負けなしの3連勝中。3勝2分である。
一方の大分は勝ち点49で7位。6位の町田も勝ち点49なのでプレーオフ圏内は十分射程圏内に捉えている。直近5試合は2勝2分1敗。前節勝利で迎える1戦となる。
今季の対戦成績的には大分の地で新潟が勝利を掴んでいる。
通算対戦成績的には新潟の12勝16敗9分と相性自体はそこまで良くはない。
自動昇格圏をキープするためにも勝ちたい新潟、プレーオフ圏内を確実にしたい大分と双方モチベーションは高い状態で迎える注目の1戦となる。新潟は今季初の4連勝をホームで飾りたい。
大分のポイント
夏の移籍で古巣への電撃復帰となった金崎はフルタイム出場となるかどうかは不明もそのクオリティはJ1級。J2においてはチート級の選手となる。彼の正確なプレーで決定機を演出できるかどうか。
また新潟はクロス攻撃に弱みがあるところからすると大分の両サイドの選手は強力である。特に増山はアビスパ福岡時代から個人的には注目している。縦への推進力もあり、ゴール前に顔を出すこともできる。走力もあり新潟的に厄介な存在になるだろう。
ボランチの弓場もキーマンとなるだろう。攻守において高いアベレージでプレーできる選手である。加えて前節コンビを組んだ保田も弱冠17歳ながら十分主力級の能力を持っているので両ボランチは新潟的に警戒である。
前節はGKが高木ではなく吉田が出場したがスーパーセーブを連発して無失点での勝利に貢献した。高木が出ても吉田が出てもGKの質は高い。
FWサムエルは外国人ストライカー特有の能力の高さがあり警戒が必要。トーマスデンとのマッチアップになるだろうか。
加えて呉屋、梅崎、町田、中川など実力者が揃う。渡邉新太はケガで離脱中なので古巣対戦は叶わないが戦力的には強力である。
新潟のポイント
トーマスデンが出場し始めてから3連勝で3戦無失点という守備の安定度が増し、結果もついてきている。能力はオーストラリア代表の通り、J2ではチート級の存在となる。
加えてGK小島の存在感も増してきているし、今回は古巣対決でもある。攻撃面では伊藤涼太郎の活躍が目立つ。去年ケガでなかなか活躍できなかった選手と新加入の選手がリーグ終盤に目立って結果を出しているのでチーム状態はよさそうだ。
藤原堀米の両サイドバックのクオリティも高く、田上の質向上も今季は目覚ましい。高を温存できるくらい秋山、星が台頭してきて、高木と伊藤が共存もターンオーバーもできている。小見やシマブクも積極性で持ち味を出せつつあり、松田と藤原のコンビネーションが良いので練度も上がっている。
谷口が復帰したのも明るい材料。
大分の両サイドの攻撃を想定してむしろ両サイドを押し込むような展開に持ち込めるといい。中央の選手がカバーに入ってくれば中央のスペースが空くのでそこを経由してハーフスペースに侵入したり、ゴールに向かうプレーがあれば新潟ペースで試合は進められるだろう。
大分はロングスローもあるので一瞬の隙を突かれて失点するようなことは避けたい。毎回話しているがやはりポイントは先制点である。前節岩手戦の反省を踏まえると前半のうちに先制点は欲しいところである。
いつも通り高いクオリティでスペースを突き、早い時間に先制点を取れればかなり勝率は上がるだろう。
大分戦レビュー
自動昇格圏を盤石にしたい新潟とプレーオフ圏内進出に躍起な大分との1戦は大分に軍配が上がった。
ポイントを開設して振り返りながら今後の展望につなげたい。
◆決死の大分
立ち上がりにトーマスデンがボールを奪われでシュートされたシーン。ゴールから逸れてくれたので免れたがあわやというシーンだった。
トーマスデンも4戦連続でスタメン。病み上がりを考慮すると多少コンディションが落ちていたのか?それとも大分の気勢が上回ったのか?いずれにせよ立ち上がりから大分の勢いが勝った。
プレスに関してもサムエル梅崎中川を中心に保田と弓場も連動してCBやGK小島までかなりの圧力をかけるシーンがあったり、それによってルーズにロングボールに逃げざるを得ない状況になりセカンドボールを大分に拾われたりして新潟はなかなかリズムに乗れません。
GKまでのハイプレスに来る場面と高と島田へのパスコースを封じる場面とを使い分けて新潟のしたいサッカーをさせないプレーを徹底していました。
下平監督のコメントでは本来の大分のスタイルであるポゼッション、ボール保持をするサッカーを展開したかったともあったが、リアリストとして新潟に勝つためのスタイルを選択した大分の執念はかなりのものであった。
おそらく新潟対策としては過去一番効いていたと思うし、しかしながらどのチームでもできるような芸当でもない。
中央での制限をディフェンスライン奥までとボランチまでという切り替えを集中力高く行い、サイドでは井上と増山が刈り取る。サポートへ三竿やペレイラが行く献身性もありながら中央はきっちり締める。
普通はこれを90分続けられない。しかし大分は高い集中力と勝利への執念で遂行した。選手の能力はもともとJ2でも上位だったが、本来の自分たちのスタイルを捨ててでも勝ちに来ている圧力に新潟は最後まで対抗することができなかった。
得点シーンも新潟が苦手とされているクロスから。選手インタビューでは準備してきたパターンだったそうだ。サムエルの背後をフリーにさせたはどうしようもないし、クロスを上げさせるなと言うのも藤原とシマブクの連携面や新潟ボランチに対する大分のポジショニングなどもありかなり酷なシーンでもあった。
問題があるとすれば選手同士でなんとか修正しようとするところを監督スタッフがうまいこと導いてやれないものか。
ハーフタイム明け、後半から確かに新潟の選手の動きは良くなったがそれでも大分の高い集中力を前に攻め込めても決定的なシーンは作れなかった。
松橋監督は悲観的になる必要は無いというコメントを残したが、例えば相手GKのスーパーセーブにあったとか、1対1の局面で外したとか相手のスーパープレーやこちらのミスで決定機を逃したわけでもない。大分は決定機になる前にきちんとどの新潟の攻撃シーンに対しても対処できていた。
むしろ新潟の方が弓場のミドルを小島がぎりぎりで防ぐなど危ない場面は多かった。
いつもであれば後半に時間が経つにつれて相手の足が止まり、新潟のポジショナルプレーはより相手にとって脅威となるところが大分は90分通して崩れなかった。
これはやはり大分は賞賛に値するし、メンタル、気持ちで負けたと言われても新潟的には反論の余地が無いだろう。
後半、秋山が入ったあたりでよりテンポを持ち直した感があったが、秋山がもっとフリーで前向いて縦パス入れられる状況を作ってあげたかったし、もっと前線も秋山の狙いどころにジャストで侵入したりなど連携面やイメージの共有などより高いレベルの練度を上げる必要がありそうだった。
伊藤を下げたのは個人的には疑問が残る。
◆今後に向けて
9月初戦を落としてしまった。
次はホームで琉球戦となる。声出し応援がビッグスワンで解禁される。
三戸やイッペイももうすぐ戻ってきそうである。
しかしながら相手も残留争い真っただ中。シーズン終盤は最終的な順位が見えてくるので大分の様にそれまでのスタイルを捨ててでも勝ち点を取りに来る戦いをしてくるチームも増えてくるだろう。
1対1で負けない、セカンドボールを拾う、ゴール前でのミスを減らす。こことメンタル面はかなり連動していると思う。しっかりと準備をしつつ高い集中力で臨んでもらいたい。
連勝し続けることと連敗しないことが大事である。今季新潟は連敗が無い。これは去年までとの大きな違いである。
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