J2第30節アルビレックス新潟vs 徳島ヴォルティスの話題はこちら
- こうずてぃーびー
- 2022年8月6日
- 読了時間: 8分
プレビュー
徳島戦プレビュー
新潟は連敗こそ阻止したものの2戦続けて逆転から追いつかれる展開と、逆転した後の試合運びに若干課題を残す。
徳島も前節は追いつかれてのドロー。勝ち点35で13位とプレーオフ圏内を目標とする感じだがこれ以上足踏みをしたらプレーオフ圏内も危うい。
新潟は強かったホームでまさかの2連敗中。毎年終盤に失速する悪しきイメージを払しょくするためにも離脱者続出している中でどうやって勝利をつかみ取るか見どころである。
徳島のポイント。セットプレーとクロスからの失点が多いデータが出ていることとCBカカが累積で出場停止であること、そして4戦連続引き分け中と懸念点はあるが新潟との対戦は前回引き分けている。
FW一美、西谷などの攻撃陣もさながら、中心核は新潟が古巣となる新井直人だろう。C大阪からのレンタル移籍とはいえ、今季の徳島を攻守に渡って大きく支えている。
そしてGKスアレスは好セーブ連発。決定機阻止の場面は多々見られるので守護神として守り切れるか?も注目となる。
新潟のポイントは前回対戦の教訓を生かすのであればフィジカルやあえてファールで止めてくる戦法を取ってくるであろう徳島に対して、コンタクトさせないようなボール運びをするか、ゴールに近い位置でのファールをあえて取りに行き、セットプレーからのチャンスをうかがうというのが理想か。
セットプレーとクロスからの失点が徳島には多いので島田や田上のFKだったり、空中戦勝負でも田上や舞行龍、こぼれ球に反応する高木や松田、高などの動きが結構重要だったりすると思われる。
そして何より審判がきちんとジャッジしてくれるかも注目である。前回対戦時は上村 篤史主審のもと徳島のファールが26、新潟が7と圧倒的な差があった以上に実際はもっとファールとしてもいいようなシーンが多かった。上村主審は2節前のホーム岡山戦でもPKや2枚目イエローとなる場面だとジャッジ基準が変わるなど不可解な判定が多く見られた。ファールはファールであると基準をブラさずにジャッジしてくれる審判かどうかも非常に徳島相手では大事になってくる。もはや審判対策ができれば半分勝ったようなものである。
チームは満身創痍の状態。三戸とイッペイがケガで離脱し、至恩は移籍。谷口と千葉もアクシデントか不明だがここ数試合ベンチ外が続いている。
今節は舞行龍が出場停止から戻ってくるのでそこは好材料。トーマスデンもコンディションを上げている最中であると報道されているのでここが戦力として計算できればいささか楽になる。
松橋監督の交代の遅さ、5枠を使い切らない点などは選手の疲労などによるパフォーマンス低下を考慮すると不思議ではあるが、交代選手を入れてバランスを崩すくらいならヘロヘロの選手でもバランスさえ取ってくれればいいという考え方なのか?真実は松橋監督のみぞ知るという感じだが、確かに切り札的に投入できる選手の層は薄くなっている。
小見やシマブク、そして矢村やゲデスはここがチャンスなはずなので出場した際にはいい意味でサプライズを起こしてほしい。
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レビュー
徳島戦レビュー
徳島が2点先制してから残り20分で新潟が追いついての2-2という展開。
首位横浜FCが大宮に敗れたことと仙台が勝利したことで上位3チームは勝ち点1差ずつでの団子状態となっているのはある意味では助かったと言っていい。
既に選手や監督の談話、そしてメディアでも触れられているが徳島が取ってきたシステムの話はした方がよさそうである。
◆徳島の5バックと2トップとトップ下と
ポヤトス監督の談話から…
――攻守の狙いは?
新潟さんの良さを消す狙いがありました。攻撃はCBをもう1枚増やして、ウイングバックにボールが入ると中盤でフリーができる。児玉 駿斗のところで数的優位を作る狙い。その中で2点先制したが、最後良い形で締められなかった。これは選手ではなく自分自身の反省点です。選手はしっかりやってくれたと思います。
--5バックの狙いは?
そこはサイドの相手、新潟のSBを引き出したかったと同時に、CBは持ったときには良いプレーをするが、横浜FC、東京V、岡山戦などを分析したら、センタリングの対処に問題があると思い、SBを引き出して、2トップをぶつけて2対2を狙いました。
守備時には児玉が高をマンマーク気味につき、攻撃時には新井と浜下が上がるので児玉が比較的空くというギャップを狙ったこと。
WBが攻守に献身的に動くことで新潟のSBの対応をおびき寄せて、その背後のスペースを取ってからクロスを上げて、CB2人対FW2人という1対1に持ち込み得点につなげるという狙い。
守備時はWBが下がり5バック気味にすることで新潟が攻撃するスペースを消し、中央は3人のCBで固めるという狙い。
新潟対策としてはかなり用意周到にやってきたと思います。前回対戦時のようにビルドアップをフィジカルコンタクトや戦略的ファールで止めて分断し続けるというよりもよほど頭脳的なサッカーに切り替えてきました。
そして序盤から2トップ起用の一人、藤尾の動きは非常に良かった。一方で早川の動きはいささか精彩を欠いたとも取れました。
一美は当然空中戦では強みがあるのでCBとマンツーな状況だと流れの中で新潟DFでマークの受け渡しがあって上背のそこまでない両サイドバックが空中で競らなければいけない状況にもなりうるわけです。2失点目がそれですね。
クロスを上げられた場面だけ見るとカウンターを喰らったように思いますが、ボールを奪った状況がそもそも数的優位なところでボールを奪っているなどポヤトス監督の狙い通りの流れであったことを考えると松橋監督のコメントから…
--前半の失点について。
われわれのミスからで、しなくていいパス、しなくていいところにわざわざ受けにいっている。これまでもいくつか見られた。最終的に相手と守備では入れ替わらない、遅らせるという原則に取り組んできたつもりですが、残念ながら最終的にはそういう中での失点だったと思います。
とあるように数的不利や同数の局面にわざわざリスキーなパスを出すような場面だったか?これは舞行龍や千葉がよくやるFWやトップ下への縦パスとは違ってDFからMFの選手へつける縦パス、斜めのパスのことだと思うんですが、そこの判断もうまくなかったのと、そもそもイージーなパスミスが多かったことでより負担が増したように思います。
◆意地の同点劇
ポヤトス監督の談話から
--新潟のどういうところに対応しにくかったか。
失点はディフェンスのオーガナイズうんぬんより、最後のFKで簡単にやられてしまったところがありますし、2点目はスローインからの失点。ちょっとのスキを突かれたかなと思う。しかしプレッシャー含め、ディフェンス面はしっかりと選手たちが表現してくれた。
松橋監督の談話から
選手交代でリズムを取り戻せたかもしれませんが、今季の中では非常に課題や、自分たちのパフォーマンスに対してもう1回考え直さなければいけないことが多く見られた内容だったと思います。ただ最後、難しい状況で追いついて勝点1を取ったことはしっかりと評価し、次に向かいたいと思います。
新潟がなんとか引き分けたという印象が強いですが、よく残り20分で追いついたなという感想です。それまでの試合ぶりはとても2位のチームとは思えないほど出来が悪かったです。これは前述の徳島の対策のせいで。
堀米選手の談話から
--あとは勝ち切ること。
やっぱり2点取られちゃうと、3点取るって難しい。後ろの選手として3試合複数失点が続いていることには危機感を持たないといけない。これじゃいけない。
藤原選手の談話から
--その後も2点目につながるチャンスがあり、右で作り続けた。
ゆずくん(島田 譲)と(秋山)裕紀が入ってきて、うまくサイドで人数をかけて相手の目線を集めることができていたので、最後は裕紀の良いクロスから、ゴメス(堀米 悠斗)が決めてくれて。ああやって引いた相手には人数をかけてサイドから崩せたらいいのかなと。2点入ったあともサイドから攻められていたので、決め切る力があれば勝ち切れたのかなと思います。
確かに2点取り返した後も新潟が押していたが、最後にCKで小島が掻き出してなかったら負けていたかもと言うシーンもあったのでやはり厳しい戦いだったように思う。
秋山と島田が入ってから縦に横にと相手を揺さぶることが上手く行きだしたように思う。その中でも秋山の動きは出色のものだった。
彼の良さは攻撃につながるパス供給だと思う。優れたパスセンスを持っているので0-2という局面で前を向くしかないという状況がより彼の持ち味を引き出したのはかえって好都合だったかもしれない。同点や0-1の場面でも同様のプレーができればより戦力として計算できるとも感じた。やはり2019年の37節福岡戦の後半から投入されたときの動きが個人的には忘れられないのだが、徳島戦は似たような輝きがあった。
松橋監督が自分たちのパフォーマンスを見直すとコメントしていたがやはり対策しやすいチームになっていると思う。新潟が。
となるとより相手を上回るという一本やりな戦法では通用しなかったときになすすべを無くしてしまう。
根本は相手の立ち位置を見ながらスペースを生み出し効果的に突いて攻撃し得点を奪う。ポジショナルプレーの根本を試合の状況によって適切な判断ができるかというところになってきそうである。
そのためにも使い詰めの選手たちの疲労度は気になる。疲労度が高いと判断も鈍り、プレーでもイージーミスが発生するからだ。そうなると今言ったことはできない。
次節栃木戦、私も現地に行きますが新潟的には今季初の声出し解禁試合。アイシテルニイガタを初めて聞く選手もいるでしょう。蹴散らせを歌えるくらいの戦いを見せてほしい。
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