J2第2節アルビレックス新潟VS大宮アルディージャの話題はこちら
- こうずてぃーびー

- 2022年2月27日
- 読了時間: 8分
プレビュー
生配信
レビュー
ポイントは3点。
◆前節とのメンバー変更に対する評価
◆本間至恩覚醒
◆新潟対策のハイプレスをどう対策するか
・前節とのメンバー変更に対する評価
CFが鈴木→谷口
WGが谷口→本間
MFが伊藤→星
高→島田
DFが藤原→長谷川
その他は変わらず。ベンチメンバーは三戸→松田、矢村。
CFが鈴木→谷口
谷口は熊本時代もWGながら18得点。去年は新潟で中央でもサイドでも起用されたが生粋のセンターフォワードというタイプではない。
裏に抜ける動きが持ち味なので中央でDFを背負ってポストプレーや、タメを作る動きは鈴木ほど得意ではない。
やはり周囲とのバランスが大事になってくるわけだが、去年と違う4-1-2-3のフォーメーションでインサイドハーフとの連携などで若干ちぐはぐさが見られた。ここは鈴木の方がいい印象。
加えて、前線での守備も相手のパスコースの絞り方を制限するプレスも鈴木の方が一枚上手。
一方でシュートチャンス、決定力は魅力のひとつだが、得点を決めることができなかった。決定機もあったが相手GK南に防がれた。
去年もスロースターターだったが今年もそのような印象。この試合でもハマった感はなかった。
WGが谷口→本間
本間が左でイッペイが右。前節はイッペイが左で右に谷口だったわけだが、やはり至恩は左にいたほうがプレーしやすそうだった。
前半はそこまでチャンスメイクできたかと言われると疑問だが後半は覚醒し同点に追いつく立役者となった。そこはポイント2で詳しく触れたい。
MFが伊藤→星
星はユース時代に松橋監督の指導を受けていたのでいわば松橋監督の愛弟子である。
そんな期待や感情があっての起用かはわからないが出来は良くなかった。4-1-2-3のインサイドハーフは本来タスクが多い。1ボランチなのでそこのカバー、サイドの選手がよりワイドに張るのでパスの受け手出し手として適切なポジションを取るなどが求められるわけだが効果的な動きができていたかというとそうではない。
今季初スタメンで初のインサイドハーフというポジションで十分に準備ができていなかったとするなら監督の采配ミスである。
一方で、現在のコロナ禍で突然試合に出れなくなったりメンバー選定が当日ギリギリになることを踏まえて2チーム分揃えた編成のレギュラーとアンダーを織り交ぜて起用してどこまでできるか早い段階で見てみたかったのでは?という見方もできる。キャンプ機関が短く、外部との練習試合も思うように組めなかっただけに前節では新システムの具合を確認し、今節ではバックアップメンバーでどれほど強度が落ちるかを見たとするならば意図はわからないでもない。だからと言って勝ち切れなかったのは問題ではあるわけだが。
高→島田
前節、文句なしにMVP級の活躍をした高を外し、島田をアンカーで起用。
島田の持ち味であるパスの供給、経由役というのは十分こなしていたと思う。
しかしアンカーは2ボランチよりも求められる役割が大きい。
攻守に広範囲に顔を出し、攻撃のアクセントになり、守備では刈り取りからカバーリングまでこなす必要がある。また、システムの中心なのでボールロストしないキープ力も大事になってくるわけだが、高と比較すると物足りなさが目立った。
特に奪われてはいけない場面で奪われることが散見され、ピンチの引き金になることがあったのはいただけない。加えてその後追いでファールをするなど、アンカーが早い段階でイエローなどもらうと今後の試合運びに影響が出ることもあるのでボールの奪い返し方もケアしながらやる必要がある。
前半、舞行龍&千葉&小島がビルドアップで浮足立ったのも島田がもっと関与できていればという面もあった。3人とそれ以外で分断されていた(大宮がそのようにハイプレスしてきていた)のも前半の出来の悪さの要因にあるように思う。やはり高ありきのシステムだという印象を受けざるを得なかった。
DFが藤原→長谷川
長谷川も偽SB的な動きはこの試合何度か見られたが、イッペイと長谷川という本来縦への推進力に期待したい組み合わせにも関わらず思うような効果は得られなかったように思う。
苦し紛れに空いている右SBの長谷川にボールが通る場面が何度かあったが、その後のボールの持ち方や周りのサポートの仕方が良くなく前へ運べないシーンが多くあった印象がある。
島田や星同様にポジショニングや奪われてはいけない部分でのボールロスト。何よりプレーエリアが藤原と比べるとどうしても狭い印象がある。右WG、アンカー、右IHとの関係性はもっと練度を上げる必要があるとも感じた。
・本間至恩覚醒
前節仙台戦ではベンチスタートとなった至恩。大宮戦ではスタメンで出場。
左に至恩、右にイッペイ。この形がなかなか良かったです。
去年序盤に連勝した時に左に至恩、右にロメロという形が多かったですが、ロメロ→イッペイに代わり速さが追加された印象があります。
また、システムも4-1-2-3に代わり、インサイドハーフとの連携面がより重要になってきています。星や高木とどう連携するか?というところでしたが前半はさほど見どころが無く、リードされ終了。
後半も追加点を浴び2点を追いかける展開に。
至恩が覚醒したのはそんな後半途中からでした。
1点返したシーンでは強引に中央突破。大宮DFが複数で止めに来ますが止められません。そこで生まれたスペースでフリーな高木にラストパス。ゴール。
2点目も星に変わって入った伊藤がボールを落ち着かせて、広い視野で相手との距離感を保ちながら絶妙なパスで至恩へ。
パスアンドゴーでエリア内にフリーで入ってくる伊藤に折り返すという選択肢もありましたが、よりゴール前で待ち構えるイッペイへドンピシャのクロス。ゴール。
フィジカル面の充実と間合いの詰め方、チャレンジする気持ちの強さなどなど攻撃で重要になってくる部分すべてが出た形になりました。
昨季終盤にケガで出場できなくなったことや対策され思うようにプレーできなくなったことを踏まえてフィジカル強化に取り組んだり、それだけでなく間合いの詰め方もブラッシュアップされた印象があります。大宮戦の感じをコンスタントに出せれば去年の様に徹底マークに遭ってもそこまで心配はいらないかもしれません。
加えて、インサイドハーフに高木と伊藤、逆サイドにイッペイがいることも相手DFの脅威となっています。
至恩だけ止めておけば大丈夫とはならない状況を作り出せれば、マークをしたくてもできない状況が生まれ、至恩、イッペイ、高木、伊藤の誰かがプレーしやすいという状況にさえなればあとは連動した動き出しなどで相手を崩し続けることはできる明るい材料でもあります。
メンバーが変わってそれができるかは大宮戦だけでは星や松田に物足りなさを感じたので底上げは別途大事になってきますが、至恩の昨季からの成長は間違いなくチームにプラスになりえます。
昨季は高木が一人で気を吐く場面が多々見られましたが、これに至恩が乗ってくると勢いが増します。山口戦は大いに期待したいところです。
・新潟対策のハイプレスをどう対策するか
前節仙台戦ではハイプレスにこられなかったが、案の定去年も戦っている大宮は愚直にアルビ対策の一つ「ハイプレス」を実行してきた。
いつもならハイプレスに来られても舞行龍や千葉、そして小島のビルドアップ能力をもってすれば簡単に奪われることが無いのだが、それが仇となったか危険な位置でボールを失う決定的なミスが何度か見られた。
ボールを回すことに固執しすぎて適切な状況判断ができていなかったという振り返りも選手から出ているが、ここは監督はじめ指導者が何パターンか用意しておくべきか、そうでなくとも事前に認識のすり合わせはしておくべきだったと思う。していてこのようなミスから失点したのであれば選手に責任があるかもしれないが起用したのは監督なので責任ゼロというわけにもいかない。
ではどうやって対策の対策をするか?
ロングボールも織り交ぜて相手のハイプレスをかいくぐるというのがセオリーの一つとなりうるが空中戦で競り勝てるか?セカンドボールを拾えるか?ここは決して優位性があるとは限らないので、ただ前にボール蹴って奪われての繰り返しもリズムを崩すので良くない。ではどうするか?イッペイや谷口など競れる選手をワイドに置いて、周囲の選手の距離感を詰めてセカンドボールを回収し、広大に空いた逆サイドに展開するなどいくつかのパターンが用意されていると良い。その点、小島がフィード能力が高いのは利点である。
今回の大宮戦のようにシュート3本で2点決められるとGKの小島VS阿部論が必ず出てしまうが、今回の失点はどちらもGKからしたらノーチャン。あそこまでのピンチを招かないようにその前で対応すべき内容だったと思う。
個人的には足元の技術、セーブ能力ともに小島を優位に見ているのでこのままで良いと思っている。
スーパーセーブも2020年の小島の活躍を思い出すと何度も決定的なシーンを止めてチームを助けていた印象がある。
実際、仙台戦もビルドアップもシュートストップもその後のフィードも非常に落ち着いており、リベロ的にも動けたりプレーエリアも広い。改めて小島選手の能力の高さは再認識すべきだと個人的には感じている。
もちろん阿部選手もキャラクターや新潟ユース出身という点、コーチングの声や昨シーズン成長した足元とセーブ技術という点からみると非常に良いライバル関係にある。
瀬口、西村と含めてGKチームの底上げはシーズン通して期待したいところではある。
現地観戦記


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