J2第23節アルビレックス新潟vs横浜FCの話題はこちら
- こうずてぃーびー

- 2022年6月26日
- 読了時間: 10分
プレビュー
横浜FC戦プレビュー
勝ち点45で首位の新潟が勝ち点43で2位の横浜のホームに乗り込む天王山。
得失点差+21と攻守に抜群の安定感を誇る新潟だが、中盤の要である高宇洋を出場停止で欠く点がどれほど影響するか。
横浜もFWサウロミネイロを出場停止で欠くが、現在J2得点ランキングトップの小川は健在である。
どちらがペースをつかむのか?より長い時間自分たちのスタイルを出せるのか?そして先制点はどちらが奪うのか?この3点で大きく流れは変わるだろう。注目の一戦である。
横浜のポイントは前節仙台相手に隙を突いて得点を取り勝ち越した勝負強さにある。前回新潟と対戦した時は新潟のホームで3-0と完敗。今回は横浜のホームでリベンジを果たしたい気持ちもあるはずでモチベは相当に高いことが想定される。
イサカや山下などの強力なサイドアタッカーがどれだけ仕事をできるか?サウロミネイロ不在の中前線でどれほどボールを収めることができるか?エース小川がチャンスで確実に仕留められるか?は見どころとなるだろう。
またGKブローダーセンはスーパーセーブを連発できる優秀なGKである。新潟の決定機をどれだけ阻止するかもポイントとなるだろう。
一方、新潟のポイントは高不在でどのようなメンバーで臨むか?である。
直近の試合では高と島田の安定感抜群のボランチコンビで苦しい時間も耐えることができていた面があった。
そのまま高の位置に入るとするなら星か秋山か吉田が島田とコンビを組むことが考えられるが、3選手とも高の強みであるボール奪取、要するに守備の部分に強みがあるというよりもパサー型バランス型に近い。島田とタイプが似てしまうので、個人的には藤原ボランチ起用で彼の守備力で高のタスクを補完するのもありではないかと思う。
しかし藤原をボランチ起用してしまうと右SBが手薄になる。長谷川は現在に至るまでの出場試合で守備の穴が何度も見られた。山下や亀川、長谷川とマッチアップするであろう右サイドに置く選手としては非常に懸念が残る。
今季一度もベンチ入りすらないがトーマスデンの復帰が近づいている様子はクラブや個人SNSの発信で伺うことができる。この大一番で期待の外国人助っ人、オーストラリア代表が実践投入されれば不安より期待の方が上回るのではないか?
現実的には早川か田上が右SBにずれて、CBを舞行龍&千葉、左SB堀米、ボランチは藤原&島田というのが対横浜を考えた時のバランス的にはいいのではないかと思うが松橋監督のオーダーにも注目したい。
新潟はやるべきこと、目指すべきスタイルがチームに浸透している。加えて、去年より各ポジションでの選手層も厚くなったため大崩れは考えづらい。
攻守の切り替えのスピード、集中力を維持し、決めきるところで決める。
特にアタッカー陣は前節シマブクが活躍したこともあって競争は激化している。アウェイでの勝率を上げるためにも、首位を維持するためにも、昇格のライバルである横浜を突き放すためにも必勝の一戦となる。
現地観戦します。
この日は横浜まで現地観戦しに行きます。
当日は試合の前後で生配信をする予定ですのでチャンネル登録してお待ちください。
また、恒例となってますが私を見つけて直接声掛けしてくれた方には特製ステッカープレゼントしていますので当日ツイッターでヒントを出しますのでツイッターのフォローもお願いします。
生配信
レビュー
横浜戦振り返り
①高不在の影響と横浜の新潟対策
スタメンで言うと高のところには星。町田戦では良くなかった星だが、その次のまさしく横浜FC戦からボランチとしていい動きをしていたわけだが、星が良かったのは結局のところ高とコンビを組んでいたからという説が今回の横浜戦で見えてしまった。
島田と星のコンビだとタイプ的に似ている。どちらもパスの繋ぎ役的な役割の方が守備的な役割よりも得意な選手である。
このダブルボランチだが序盤こそ悪くなかったように思える。星のポジショニングもむしろ良かったくらいだが、横浜FCのハイプレスに対して舞行龍&千葉のビルドアップに島田が関与したり星が関与したりするうちに彼ら二人のベクトルがなかなか前に向かないようになってしまった。
それは高木や鈴木にボールを当てたい場面でハイネルと和田ががっちりブロック&プレスをしてきて潰しにかかるからだ。これは質の高い新潟対策だと思った。
縦パスがバンバン相手にカットされては選手の精神状態と新潟のスタイルの体現のために「まずは丁寧にボールを繋ごう」という意識に変わっていってしまうのはわかる。しかしこれが横浜の術中でもあった。
横パスとバックパスが増えた島田と星がチームの中央に位置すると前への動きは停滞するのは明らかである。
鈴木が中盤まで降りてボールタッチに絡むなど単発では悪くないアイデアもあったが、そこはチームとしての方向性がばっちりあっていないと単発で終わってしまうのだ。鈴木の戻っての受けも前向きにベクトルがある中と後ろ向きにベクトルがある中では効果が大きく異なる。
そうなると新潟は松田と至恩のサイド攻撃頼みになるが、そこも横浜はケアしていた。
特に至恩に対しては常に2人マークにつく形で思うように突破させてもらえなかった。
堀米のオーバーラップのシーンもあったが、あれは至恩と相手が1対1でより効果があがるので、1対2でオーバーラップをしても五分五分のシーンにしかならない。
中央を締め、サイドのキーマンへのプレスも激しい。これでは新潟は攻め手が無い。よく言う「ボールを持たされてるだけ」という状況に陥る。
決定機らしい場面が前半は無かったように思う。
一方で横浜はシュートで終わるシーンが多かった。ここでも高不在の影響が出ており、セカンドボールや中盤でのボール奪取が上手くいかないため横浜がゴール前までボールを運べておりシュートで終わる場面が多くなったわけである。
先制点を取られたシーンは藤原の寄せというよりも松田の中途半端な戻りでマークすべき相手が二人いた藤原からしたら一瞬判断に迷いが生じた、本当に一瞬の隙だったように思う。どちらかと言えばはっきりボールホルダーに寄せに行かなかった松田の動きに問題があったように感じる。
松田の守備の軽さはここまでおおやけになっていなかったが、鈴木の前線からのプレスへの連動も出足が遅く、実際鈴木がピッチ上で松田に声掛けしていた。鈴木がコースを絞って追えているので松田が至恩レベルに連動できればいいのになぁとは感じた。
2年前の至恩くらいの出来というとアルビサポの方はわかりやすいか。今でこそ至恩の守備の強度は上がったが、松田の現状はそんなイメージである。もちろん攻撃に持ち味を発揮しているのでウィークポイントを過剰に取り上げるつもりも無いが、そこで成長を期待したいところではある。
やはり先制点を取られると展開的には厳しくなる。サッカーはそもそも点を取るのが難しいゲームである。だから1-0とか2-1とかの試合が多いわけで10-0みたいな試合は非常に稀である。だからこそ先制点は重い。1-0でも2-1でも勝利の価値はさほど変わらないが、労力は大きく異なる。1点取る労力よりも2点取る労力の方が遥かに負荷がかかる。
そうなると新潟は攻めるしかない。しかし、中盤でボールが取れない&前向きにボールが出せないので攻撃が手詰まりになる。さらにピンチの場面でファールが増えた。
島田と舞行龍がカードをもらった場面である。
特に舞行龍のファールはともすれば一発レッドの可能性も新潟サポながら覚悟したシーンであった。
そこをノーファウルでいままで高が抑えていたんだよなぁ…というのを改めて感じながらより深まる手詰まり感。
②審判問題
榎本主審のジャッジは疑問が残る場面が多かった。端的に言ったら判定の基準がぶれるのである。
ガブリエウを倒して鈴木がファールを取られたシーンがあったのだが、その後にガブリエウが反スポーツ的行為で鈴木を倒し、一時騒然となった。
これに対して主審はなぜか両者にイエローカードという謎裁定を下した。本来であれば鈴木がファールをした段階で鈴木のファールがカードだったら出るはずなのだが出なかったので後付けで出たことは明らかである。
ガブリエウの行為に対してカードが出たのは理解できるが喧嘩両成敗的に鈴木にカードが出たのはイマイチ理解できない。
おそらくガブリエウを挑発したと捉えられての両者カードかと思うが、謎判定だった。
一方でその帳尻かのごとく、先ほどの舞行龍のファールがイエロー止まりだったり、その他のコンタクトを流したりなど、荒れる要素を投下しているようなジャッジが多かった。
どちらかと言えば横浜の方が不利なシーンが多かったかもしれない。
③監督の采配
いつでも完璧な采配ができる監督なんかいないのはよくわかっているが、この試合においてほとんどのサポーターの方が松橋監督の交代策の遅さにやきもきしたはずである。
島田に変えて秋山を入れたのは島田がイエローをもらっていたからというのと、もっと前向きにパスを供給することを期待したはずだが、秋山も結局消極的なプレーに終始してしまった。吉田陣平なら…と個人的には感じてしまった。秋山の良さは前向いた時のパスセンスにあると思っているのでそれができなかったことは残念であるし、チームとして彼が前を向きやすいポジショニングが取れていなかったのも残念である。
谷口は全力で追う点はいいのだが、一方でそれ一辺倒ではこの日の横浜にとっては格好のカモともなりえた。残念ながら無駄走り感の方がこの試合では多かったように思う。
伊藤とシマブクを残り5分程度で投入したが、伊藤に関してはもっと早く投入すべきだったように思う。
高木に思うようにボールが入らず、彼自身消える時間が多かった。いつもは高木が良い位置でファールをもらうシーンがいくつかあるんだが、そこまで危険なところでそのようなシーンが無かったことも横浜の新潟対策を物語っている。
一方で伊藤はボランチの位置まで降りてパスを受け、瞬時に前を向いて前線へのパス供給をチャレンジし続けた。これこそ新潟対策をしてきた横浜に対する対抗策であるはずなので、もっと早く交代していたらリズムは変わっただろうと思う。
シマブクは前節活躍しての今回のベンチ入りだと思うが、少ない時間で持ち味を生かすことはできなかった。むしろ後半からすでにバテていた松田の方を替えたほうがよかったように思う。
至恩はずっと強度高くできていたので。
2失点目も高がいればラストパス供給される前に潰しているか、ディフェンスに余裕があるのでラインコントロールしてオフサイドにしているかどちらかというシーンである。もったいなかった。
後半、至恩のシュートをスーパーセーブしたブローダーセンはさすが最高峰のGKと感じた。この日ブローダーセンは当たっていた。
谷口のシュートも惜しかった。決定機的にはあとは藤原のシュートを含めて3度くらいか。決めきる時に決められないとやはり苦しくなるが、今回は相手を褒めたい。
プレスのかけ方や、選手の立ち位置。高木のマークに対してボランチの動き、サイドの選手との関わり方、そして交代策そのものとその意図、全て松橋監督がどれほどの強度で指示をしていたのかわからないので不明な部分が多いのだが、うまくピッチ上で体現できていなかった事象が多くあった。
特に、前へのチャレンジが少ないのは致命的である。横パスバックパスだらけだと吉田達磨時代まで遡ってしまうかもしれない。アルベルト監督時代も手詰まりになった時に同様の事象になったことがあったわけなので、どのように修正するか?少なくとも試合中の修正力は発揮されなかったわけである。
次は群馬との一戦となる。堅守が売りのチームなので特に先制点は大事になるだろう。別途プレビュー動画をアップする予定なのでチャンネル登録してお待ちください。


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